「水のように」NHK朝ドラの「おちよちゃん」自伝

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朝日新聞出版:浪花千栄子著「水のように」を読了。浪花千栄子をモデルにしたNHKの朝ドラ「おちょやん」を見て書店で購入。好きな女優なので本当のところはどんな人生だったのだろうと興味津々でした。本の見出しは

1 私の生きてきた道

2 私の芸歴

3 私の住居

4 私をささえてくれた人々

5 双竹庵おりおりの記

6 ある日、ある時

と自伝とエッセイの構成になっています。

やはり、ドラマと違い事実はもっと惨いですね。9歳で仕出し弁当屋に16歳まで奉公しますが、三度の食事も立ったまま。睡眠時間は4時間程。親父の借金の方に仕出し屋の後は酒屋と材木屋に18歳まで奉公する。朝ドラでは奉公先で可愛がられますが、そんなことは自伝には書いてないですね。話を面白くするためにしてるんでしょうが、年寄りには嘘っぽくリアリテイがありません。昔は奉公人は道具であって人間ではありません。昔(60数年くらい前まで)は、奉公人はどこの世界でもいましたが、普通は奉公人が可愛がられるなんて滅多にありません。まして奉公先のお嬢さんとため口をきくなんてありえません。浪花千栄子は、自分は泥水のように2回も自殺未遂を試みながら世間に合わせて生きてきたと記してます。自分を励ましながらしぶとく生きてきたようです。朝ドラの「おちよちゃん」は、けっこう自己主張もするし元気いっぱいです、めげません。これは現在から見た視点の女性の生き方ではないでしょうか。柔らかい控えめな浪花千栄子のイメージとはちょっと違うな、今の視聴者に合わせた演出過剰ではないですかね!時代背景に合わせたリアリテイのあるドラマ展開を望みます。